サーバーサイドエンジニアの小久保(@yhei_hei)です。
実は小久保、Radiotalkでクロスマートのことを さんざん喋ってはいるものの、
入社して1年経ってません。
入社は2022年の1月で、クロスマート2人目の社員エンジニアでした。
そんな中、2022年の4月。
クロスマートは創業以来初の新卒エンジニアを採用しました。
この規模感の会社が新卒エンジニアを取るのは、
かなりチャレンジングと言われてるらしく、
XTechグループの方たちがざわついていたのを覚えています。
で、のほほんと開発していたある日。
突然PdMの杉原さんからオンラインミーティングに呼ばれ第一声、
「小久保さん、新卒のメンターお願いできますか?」
と言われました。
フルリモートで新卒メンターはやばい
打診を受けた率直な感想としては「やばい」でした。
新卒の子は関東勤務です。しかるに僕は札幌からフルリモート。
物理的な距離すご! って感じでした。
当時入社4ヶ月。
ようやく部分的に業務仕様を理解し、このチームの開発の勘所も掴めてきたところ。
このタイミングで新卒メンター。。。しかもフルリモート。。。
ああ、とてもスタートアップっぽい。。。と目眩のする思いでしたw
本記事の対象読者
本記事ではフルリモートの制約がある中、新卒の方とどうやって関わっていったか。
うまくいったこと、いかなかったことを赤裸々に綴っていきます。
このコロナ禍。フルリモートでメンターをやる同志達の参考になれば幸いです。
フルリモートの不利な点
まず、フルリモートの不利な点は下記。
- 顔が見えないため、人となりが見えにくい
- 「ちょっといいですか」が気軽にできない。質問のハードルが高い
- 手元のエディターが見えないため、ペアプロ等がしにくい。画面共有がだるい
これらをいかに解消するかがポイントでした。
「ちょっといいですか」を促進する。Slackのハドルで常時接続
まずやったこととしては、質問のハードルをとにかく下げる、ということ。
最初は聞きたいことがあったら、
空いてるところにGoogleカレンダーで会議入れてくれ〜みたいな体制でした。
これがまずかった。
まず自分が新卒になった気持ちで考えてみましょう。
腐っても会議です。先輩との会議です。
そう、準備が必要です。
僕が新卒だったら
- 要点まとめないと怒られるんじゃないか?
- 最低限自分がわかったこと、わからなかったことをまとめなければ。。。
- 色々チケット持ってて忙しそうだな。。。ここに会議入れても大丈夫かな。。。
みたいに、ごちゃごちゃ考えちゃうと思います。
会議っていう体をとると大袈裟になっちゃうんですよね。
結果、問題を抱え込みがちになることが多かったです。
会社であれば、「ちょっといいですか?」で済むことが、
リモートになると途端にハードルが上がっちゃう。
この高いハードルをいかに下げるかが課題でした。
そこで使ったのがSlackのハドル。
ハドルとはいわゆるボイスチャットです。
Slackの分報チャンネル(#times_kokubo)で常時ハドルをONにし、
質問があれば音声で話しかけて、というルールにしました。
ハドルであれば、ワンクリックで繋がれ、お手軽です。
画面共有もできるため、ほとんどの悩みを
ハドル起動+画面共有で解決することができました。
もちろん、Zoomでも同じことができるのですが、
URLを発行して〜メンションして〜マイク聞こえてますか〜
画面共有開始して〜見えてますか〜?みたいな一連のやりとりが億劫です。
その点、ハドルであれば向こうから勝手に入ってきて、
10秒もかからずコミュニケーションが開始できます。
オフィスにいるのと同じぐらいの手軽さになりました。
最近では新卒の方も、「今いいですか??」って入ってきて、
「ここなんですけど。。。」と、いきなり画面共有をするまでになってくれました。
なんでも相談会を週1で実施
人って顔が見えないといろいろ邪推するんですよね。。。
なんかあのテキスト冷たかったな。。。
怒ってる声してる。。。?
メンションしてんのに全然スタンプつかないな。。。無視されてる。。。!?
みたいな。
で、実際顔を合わせて話してみると、そんなつもりは一切なくて〜。って。あるあるですよね。
率直に言うと最初の方は何を考えているかわからない場面が多々あり、
ストレスを溜めていましたw
多分お互いそうだったかもしれません。
ということで、コミュニケーションの場を増やすべく、
新卒研修定例という名のなんでも相談会を週1で開催しました。
相談会では、新卒研修の報告とともに、今困ってることをざっくばらんに相談する場を設けました。
相談事項は本当になんでも良くて、
例えばチケットのここがわからないとか。
migrationが変になっちゃって。。。どうしよう。。。とか。
ビジネスロジックってどこに書けばいいんですか?? などなど。多岐に渡りました。
人間顔を合わせて話しているとなんとかなるもので、ここでグッとお互いの距離を縮め、オープンになることができました。
また、ここでペアプロを実施することでノウハウの伝授も行え、技術力アップの場としても最高でした。
VSCode Live Shareでペアプロの効率促進
前述しましたが、頻繁にペアプロを行うようにしています。
フルリモートでペアプロって。。。大変そう。。。と思われるかもしれませんが、
逆です。めちゃくちゃやりやすいです。
秘訣はVSCode Live Shareを使うことです。
VSCode Live ShareはVisual Studio Codeの拡張です。
リモートでVScodeの開発環境を共有することができます。
主なメリットは3点
- 新卒の方の環境を手元で動かせる
- 自分が動かしている様子をフォローしてもらうこともできる
- コードに直接コメントを入れながら、一緒に開発ができる
これが最高で、下記のような感じで一つのファイルを一緒に見ながら開発ができました。
僕がどういう風にコードを調べているかも見せられるため、
新卒の方の解像度が上がりました。
むしろ会社で1つのディスプレイ見ながらやるよりこっちの方が効率いいです。
新卒研修を一緒にやった(笑)
これは賛否両論あるかと思いますが、
メンターの僕も新卒研修のカリキュラムを一緒にやりましたw
WBSを引き、毎週進捗を報告する形式で行っています。
もちろん小久保もこのWBSに従い、同じ教材を同じペースでやっていきました。
これには理由があり
- エンジニアは学習習慣がないと伸びない。学習習慣の形成が必須
- 学習習慣は仲間がいるとつきやすい。今回新卒が1人だったので、仲間役が必要だった
- メンターが進捗を守っているとメンティーがサボるわけにはいかなくなる
のようなことを狙っていました。
実際これできちんと進捗を守ることができ、業務的な力をつけることができたと思います。
副次的な効果として、僕も知らないことが結構あったのでためになりましたw
まとめ
以上、フルリモートでメンターになる際にやったことでした。
ポイントは
- 質問のハードルを下げるため、Slackのハドルで常時接続を実施
- なんでも相談会を定例化。コミュニケーション頻度を増やす
- VSCode Live Shareで頻繁にペアプロを実施
- 新卒が一人であれば、研修の仲間役を買って出る
です。
とまあ、ぐだぐだ言ってきましたが、結局は「会話する」に尽きると思います。
最近では新卒の方、技術的な成長を感じるのはもちろんですが、
単純に面白い人であることがわかりコミュニケーションをとるのがとても楽しいです。
コミュニケーションを取り続け、1個良いところを見つけたら、
好きやで〜、信じてるで〜って応援し続けるのが重要なのかなと。
これからも新卒メンバーの成長を
遠くにいながらもガッツリと近場にいるかのように見守っていければなと、切に思います。