「現場」を大事に顧客の一次情報を取りに行くために実施していること

ご覧いただきありがとうございます。
クロスマート株式会社でプロダクトマネージャー(以下、PM)を
務めております杉原(@sugihara_xmart)です。

 

前回の自身が執筆した記事(と言ってももう半年ほど前になりますが)で「ビジネスサイドが聞いた要望を説明する会」を通じて、顧客の声をプロダクトに反映させていく仕組み、流れに関して記事にしました。

xmart-techblog.hatenablog.com

 

クロスマート社は半年ほど前にミッション、ビジョン、バリューの見直しを行い、これらを刷新しましたが、新バリューの中に「現場」という力強い2文字があります。

3つのバリュー。最初は「独特な感じになったな...」と思ってましたが、
今となっては絶対に忘れない文言になってます。圧倒的短文。

顧客の声を大事にしないプロダクトはおそらく少ないかと思いますが、その顧客の声への向き合い方は組織、チームによって様々かと思うので、今回はクロスマート社が直接現場の声を聞きに行く際にどのようにしているかを(まだまだ試行錯誤が多い中ですが)ご紹介できればと思います。

目的別の「現場」ユーザーへのインタビュー・テスト

大きく分けて以下の4つの目的で「現場」に行くことがあります。

それぞれの目的によって事前準備やアプローチが変わることがあるので、それぞれに関して記載していきます。

  1. 検証したい仮説をインタビューによって明確にするとき
  2. 特定の新規機能・機能改善のユーザーテストをするとき
  3. 問題発見のため、現場の観察をするとき
  4. 番外編(業界のことを肌で感じる、体験するとき)

1.  検証したい仮説をインタビューによって明確にするとき

こここ2ヶ月で絶賛実施中ですが、まだ形になっていないサービスの初期仮説を検証する目的で実施します。(現時点だと月10~20件くらいアポにいってます)

 

顧客ニーズと仮説を検証するために事前に用意した質問リストをベースに聞いていくのですが、この手の調査は何よりも事前準備が一番重要だと思っています。

 

想定ユーザーをセグメントわけしたり、調査結果を横比較できるようにフォーマットにまとめたり、(既存のサービス利用ユーザーへのインタビューが多いので)現状の利用実態や過去の問い合わせ状況をまとめたり...こういった内容を手を抜かず、ただ効率的に実施するのが重要だなと思っています。

それぞれの軸でターゲットわけ

横(同じ質問)比較できるように調査結果をまとめる

最初はインタビューも少し億劫になるんですが、やっていくとだんだんこなれていくので、数を重ねるのは本当に大事だなあ、と感じるこの頃です。

2. 特定の新規機能・機能改善のユーザーテストをするとき

我々のサービスは、外食産業の中でも「飲食店」と「卸売業者」の両方がユーザーとして存在します。粒感の大きい新規機能やよく利用される画面を改修する際は、だいたい5社ほどを目安にアポイントを取ってインタビューを実施しています。

 

サービスの管理画面から「お知らせ」を出せるのでそこで簡単な定量アンケートや協力いただけるインタビュイーを募集しています。

お知らせを画面に出している図

ユーザーテストの際は現場にいくことも、オンラインで実施することもありますが、基本的には「zoom」をつないで、録画をし操作感やどこで躓いたかをあとで見直すことができるようにしています。

また意識せずとも目の前に人がいると"お化粧"をしてしまう(要はいつもと違う、頑張った使い方をしてしまう)ことが多かったり、感じている不満、不安を口に出しづらかったりするので、こちらから説明的になりすぎずユーザーがあくまで利用しているときを想定して見守るようにしています。(実際に利用する現場に我々は横に立って説明することはできないので...。ただ、目の前で操作に困っているユーザーに何も手助けができないのはとてもとてももどかしくもあります。)

 

こうした取り組みを経て、リリースするサービスの使い勝手の悪さや自分たちが思い込みでよかれと思ってつけた機能がユーザーにとっての余計なおせっかいになっていないかを特定しようとしています。

 

pmconf2022で登壇させて頂いたときの資料がこのあたりのこと(p28-29)を記載しているのでよければこちらもご参考ください。

 

speakerdeck.com

 

 

3. 問題発見のため、現場の観察をするとき

不定期ですが、実際にサービスを利用してくださっている現場に訪問し、利用実態を見学したりや要望を伺ったりすることも実施しています。

実際に利用している現場を見て課題を見つける図

基本的にはCS(カスタマーサクセス)の方にアポイントを取っていただき、比較的業務が落ち着いた時間帯に見学をさせて頂いています。

口頭やテキストでわかる情報以上に視覚から入る情報は鮮度が高く、特にエンジニアにとっては解像度を高めるいい機会になってます。

特に 問い合わせるほどではなく我慢してしまっているもの(よく利用する画面の読み込み時間が長い、など)は現場観察を通じてしかわからなかったりするので、問題発見の意味で不定期でも現場にいくのはとても大事だなと思っています。

 

4. 番外編(業界のことを肌で感じる、体験するとき)

ここからは番外編ですが、稀に豊洲市場の見学ツアーを実施して、利用ユーザー(卸)に話を聞いたり、

豊洲の歩き方を学ぶプロダクトチームメンバー

趣味で週末豊洲市場に買い物に来るくらい詳しいセールスメンバーがろくろを回している図

利用ユーザーのお店(飲食店)で飲み会をして、そのまま使い勝手を聞いたりすることもあります。

自分がよくいくお店がたまたま利用ユーザーで感想を聞いてる図

クロスマートに入社するメンバーのほとんどが、外食は好きでも食品流通に明るい業界の出身者ばかりではないので、こういった機会を得つつ、業界の解像度を高めていきます。

 

クロスマート社が今後も強みにし続けていきたいのは、業界の「現場」に足を運び続け、一次情報を取ることで生まれる解像度の高さを事業やサービスに活かし続けることです。

 

まだまだ十分ではない中で、やりたいこと(お客さんの手元をひたすら録画してもらってそれを眺める、などの施策)はあるので、引き続き改善は続けていきますが、こうしたスタンスを大事にしつつ、サービス・プロダクトづくりに関わりたい方はぜひ、こちらのサイト経由でカジュアルにお話させていただければと思います〜

 

xorder.notion.site

 

以上です!引き続き頑張っていきまする。